論文執筆の道しるべ
論文執筆にあたり自分向けの指針のようなものがまとまってきたのでメモしておく。 以下の内容の一枚もののサマリがあると良いのではないか。
- 背景: なぜその課題に取り組むか
- リサーチクエスチョン: 何を解決したいのか
- 従来手法の整理: これまではその課題をどう解決していたのか、これまでのやり方に残った課題は何か
- 提案手法: 残った課題をどう解決したか
- 評価: 残った課題は定量的にどの程度解決したか
ここで
- 2.のリサーチクエスチョンと3.従来手法の課題を混同しない。
- 3.従来手法の課題、4.提案手法、5.評価はもれなく対応する。つまり、課題が3つであれば提案手法もそれらに対する解決アプローチを提示し、それぞれに評価が行われている。もしくは課題のうち、いくつを解決するものかを明示する。
- これらは一枚まとめにすると良い。シーケンシャルな文章とこのまとめを交互に見直すことで道筋を外れずに具体と抽象を行き来できる(といいな)
上手な査読者のレビューは提案内容を除けば上記の観点での過不足を指摘しているように思える。 指摘事項に対する個別対処では、論文執筆力の向上はのぞめないのでこのような枠組みも意識して一定の水準での論文を執筆できるようにもなっていきたい。
また、議論から多くを得るためには
- 分野のやや異なる人とは1.背景の説明を長めに取ることで自分の思い込みや暗黙の前提が浮き彫りにされ読み易い論文になる
- 分野の同じ人とは同じ課題意識を持つとみなし、従来手法の整理と提案手法のアプローチを中心に議論する
- 差読者目線を持つ人とは、リサーチクエスチョンを一言で伝わるか、それが解決したかをできるだけ手短に説明する
のような感じに使い分けると良いのではないかなと考えている。