THINKING MEGANE

2021

2021年は、自分の研究テーマとひたすら向き合った年となった。 昨年10月より博士後期課程に在学していることもあり、まずは1本国際会議に通すべく、自身の提案手法の改善、評価と従来手法との比較分析を、1年間ひたすら続けていた。 研究の進捗の節目ごとに投稿していた国際会議は、残念ながら3回投稿して全てリジェクトとなってしまったが、これらのフィードバックや方式の改善の結果、論文の質や提案手法の性能はこの1年間で随分上がったのではないかと思う。

実際に、これらの進捗を議論すべく報告した、国内の2回の研究会では3つの賞を受賞することができ、客観的にも、自分の研究テーマとの向き合ってきた結果が出てきていると思える。 昨年度の受賞は、優秀プレゼンテーション賞という発表の分かりやすさの側面が強かったが、今年は、それに加え、座長や運営委員による選定という、より内容に踏み込んだ評価の上での受賞であり、非常に嬉しかったし、国際会議挑戦を継続するにあたって励みになった。

来年は引き続き国際会議への挑戦と研究の発展を進めたい。 そのために、結果に一喜一憂せずに淡々と継続することを心がけていく。 また、手法改善の基盤となる数学的な能力向上や先行研究のサーベイは一過性ではなく計画的に長期的に取り組めるような枠組みを作り上げたい。 加えて、来年度は、個人のみの研究の位置付けからもう少し視座を高め、例えば研究所の取り組みと各研究員の研究、会社のサービスやビジョンとの関係性などから、方針や行動を見定め、それらに向かって導いたり知ってもらえるような振る舞いなど、今よりも先を見通し、今よりも大きく影響を与えることも意識していきたい。

2022年からは、支えてくれる周りの人にも、恩返しだったり良い影響を与えることをできるようになりたいと思う。 来年もよろしくお願いします。

実績

以下、実績を列挙する。

表彰

2021年は2つの研究会で3つの賞を受賞できた。 聴講者だけでなく運営委員や座長による評価をいただけるような研究を継続的に出せるようになっていることは素直に嬉しい。 また、研究所の共著論文でも2つの賞を受賞しており、研究所全体の盛り上げにも貢献できてよかったと思う。

論文

招待講演1本、研究報告2本。 実際には国際会議3回投稿、投稿中の国内ジャーナル1本があり、体感的な執筆量は例年と変わらない程度であったと思う。 また、研究報告のラストオーサーを2本、国内査読付き論文と国際会議(ワークショップ)論文でそれぞれ1本づつ共著を務めた。

  1. 三宅 悠介, 峯 恒憲, 仮想的な探索を用いて文脈や時間の経過による番狂わせにも迅速に追従する多腕バンディット手法, ARG Webインテリジェンスとインタラクション研究会 第17回研究会予稿集, No.17, pp.19-24, Dec 2021. [論文] [発表資料]
  2. 三宅 悠介, 峯 恒憲, Synapse: 文脈と時間経過に応じて推薦手法の選択を最適化するメタ推薦システム, 研究報告知能システム(ICS), Vol.2021-ICS-204, No.9, pp.1-8, Sep 2021. [論文] [発表資料]
  3. 三宅 悠介, 栗林 健太郎, (招待講演) なめらかなシステムと運用維持の未来, マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2021)シンポジウム論文集, 2021, p.1509, Jun-Jul 2021.[論文] [発表資料]

国内発表

技術イベント、研究会での発表をそれぞれ1回(学会の研究会、シンポジウムを除く)。 今年はFukuoka.goもWSAも開催が少なかったこともあり、随分控えめになってしまった。 来年はもう少し機会を見つけて登壇していきたい。

  1. 三宅 悠介 go:embedでExplainable Binaryを作る, Fukuoka.go#17(オンライン開催), 2021年6月.
  2. 三宅 悠介 非定常な多腕バンディット問題において効率的に変化を察知する方式の検討, Web System Architecture 研究会 (WSA研) #8, 2021年6月.

OSS

Fukuoka.go用に書いたツールが1本。 先行研究の実装など随分とコードは書いている気がするので研究とOSSもうまくつないでいきたいところ。

コミュニティ活動

今年よりこれまでのFukuoka.goに加え、学会系の活動も手伝うようになった。 具体的には研究会の運営委員への就任に伴う運営従事の他、査読、座長、シンポジウムのプログラム委員などを務めた。

ブログ

2本。昨年までに比べるとかなり少なめだが、研究の進め方シリーズとして集中的サーベイは研究所のみんなに紹介するなど役立ったと思う。 このような手探りからやり方に昇華できたものは今後もブログにまとめていきたい。

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