THINKING MEGANE

みんなと仲良くすること

ここ数ヶ月、思うように成果が出なかったことに対するボスからのフィードバックを中心に自分なりに来年の仕事の指針としてまとめておく。

多くの事業では、環境の変化へ追従するためにプロジェクトの優先順位は目まぐるしく整理・最適化されていく。 また、近年では、データ駆動な意思決定、機械学習やAIのような新しい自動化の導入によって、事業に求められる水準も高度化している。 このような質・量ともに認知負荷の高い状況に対処するため、専門性を高めた分業やチーム体制が出来上がるのは必然である。 しかしながら、例え、各々が目的やビジョンを揃えていたとしても、皆が足並みを揃えて進むことは存外に難しい。 この要因として、分業した専門の観点ごとにゴールまでの過程における課題の内容や具体度が異なることが考えられる。 描く経路が異なれば、当然、足並みが揃うことはない。

よって、ある程度以上の規模や難易度の仕事を成功させるなら、関わる人々の間での関心度を高めないといけない。 しかし、分業による過程のカプセル化と無関心は紙一重である。 せっかく認知負荷を下げることができたのだから、わざわざ相手の事情を汲むような工程を挟まずに、阿吽の呼吸で足並みを揃えて進んでほしいと思いたくもなる。 それでもやはり、関わる範囲が広範囲だったり内容が高度になるに伴い、表面上の理解や想像による補完では立ち行かなくなってしまう。 だからこそ、互いの専門領域の広さと難しさを前提とし、労力を払って関心を維持することが仕事を成功させるために必要になってくる。

もちろん、全体としてのコミュニケーションコストを低減させるため、各々の専門領域に照らした道程について、聞き手に応じた表現で過不足なく効率的に伝えることが求められる。 そのために、伝えたいことを抽象的な概念上の枠組みに変換し、効率的に伝えるために図解をはじめとした表現方法を駆使するスキルが求められる。 発信側の労力も抑えるため、この実現にはAIも積極的に活用し、聞き手に応じたバリエーション生成まで即時に行える仕組みも構築したい。 また、関心は関係する人々がそれぞれ双方向に接続されている状態が望ましいが、返報性の原理を期待して、まずは制御可能な自身から関心を維持することを始めるのが良いだろう。

ペパボで大切にしている三つのことのうち一つに「みんなと仲良くすること」というものがある。 これを表面上の摩擦がない状態と捉えてしまうと無関心に通じてしまうので、仕事の達成を念頭において、伝えるべきことをしっかり伝えるというのが、自身のこれまでの理解であった。 ただ、これも一方向のコミュニケーションに過ぎず、ある種の無関心とも言えるのではないかと考え直したのが今回である。 今後は、仕事を達成するため、もう一段階踏み込んだ「みんなと仲良くすること」を常に意識的に実施していきたい。 そうすることで、無関心による安易な想像に起因する問題を回避したり、問題が生じたとしても、なぜ齟齬が発生しているのかを構造ベースで捉えて建設的に解決に進めることができると思う。


実際はフィードバックは以下のように端的にまとめてくれていたのだが、自分なりの解釈に落とし込むために書いてみました。これぐらいズバッとまとめられるようになりたい。

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